自然の恵みと郷土の味

自然の恵みと郷土の味
日本有数の穀倉地帯「庄内平野」

庄内の自然豊かな風土は、多種多様な食と文化を生み出してきました。
暖流と寒流がぶつかる日本海には、四季を通して約130種もの魚種が水揚げされ、淡水には上流・中流・下流・湖があり、約40種類の生き物がいるとされています。
また、海抜0mから2,000m級の山々がある庄内には、海、平野、山があり、それぞれで、海洋性、盆地性、山岳性の気候が存在し、豊富な気候帯によって四季がとてもはっきりしています。
そして、豊かな自然に育まれた多種多様な動植物だけではなく、出羽三山や北前船の交流によって様々な文化が溶け込み、独自に発展を遂げていった食文化も存在します。
そうした様々な要素が「食の都庄内」を造り上げており、域内の鶴岡市はユネスコが認定する食文化創造都市に認定されています。

地酒

庄内18蔵の地酒

日本有数の米どころである庄内では、そのお米と山々からの豊かな水を利用して古くから酒造りが行われてきました。
鶴岡市大山地区は、かつて、西の灘、東の大山とまで称された酒処として知られており、大山杜氏の醸す酒は東北の酒造りに大きな影響を与えたとも言われています。
現在は1592年創業の県内最古の酒蔵「羽根田酒造」をはじめ、18もの酒蔵がそれぞれ特徴のある酒を造り続けており、仕込みの時期には、新酒が出来た事を知らせる「杉玉」が軒先を飾る姿も見受けられます。
また、冬には大山4蔵を巡って新酒を楽しむ「大山新酒まつり」、夏には庄内18蔵が集う「庄内酒まつり」など、毎年多くの日本酒好きを魅了するイベントも開催されています。


魚介類

伏流水で育った「夏の天然岩ガキ」

 庄内の海には、山々のミネラルなどの栄養分が含まれた伏流水が海に流れ込み、海流によって庄内浜沖の寒流と暖流がぶつかりあう海域へ運ばれ、その栄養で肥えたプランクトンをエサにする様々な魚が集い、約130種もの魚種が水揚げされています。また、日本海に面する2,000m級の山「鳥海山」にしみ込んだ雨は、その麓である海中に伏流水となって絶えず湧き出ています。
このように、自然豊かな山々を背景に、変化に富んだ環境で育った庄内の魚介は、実に繊細で緻密な味わいをしています。さらに、豊かな気候が作り出す四季の移ろいと共に、魚にも季節の変化を感じとる事ができ、春のサクラマス、夏のスルメイカや岩ガキ、秋の鮭やハタハタ、冬の鱈やあんこうなど、実に様々な旬の地魚を味わうことができます。


山菜

山の恵み「山菜」

 山と森林が約7割を占める庄内。春の芽吹きの季節になると、山々からは爆発的な息吹を感じ取ることができます。
厳しい冬を乗り越え、雪解けと共に土から顔を出す生命たち。雪解け水をたっぷりと含み、みずみずしく育った庄内の山菜は、まさに自然からの贈り物といえます。
ばんけ、こごみ、ぜんまい、わらび、たらの芽、こしあぶら、じょな、うるい、あいこ、しどけ、みず、月山筍…
その種類は数知れず、春の恵みは庄内の食には欠かせないものとなっています。


野菜

庄内の在来種「だだちゃ豆」

四季がはっきりとしている庄内では、その気候を活かして実に様々な種類の野菜が作られています。
なかでも在来種と呼ばれる地域固有の種が約76種も残されているのが特徴で、その数は京都に次ぐとされています。
すでに全国的に知られている庄内地方特産の「だだちゃ豆」もその一つで、独特の香りと深みのある甘さから、枝豆の王様とも言われています。
他にも、焼畑で作られる「温海かぶ」や「藤沢かぶ」等の焼畑かぶや、「平田赤ねぎ」などの多くの在来種は、ここ庄内でしか作られていない幻の野菜です。


果物

生育の好条件が揃う「庄内砂丘メロン」

果樹王国として知られる山形県。ここ庄内は、1日の寒暖差が大きく、夏の温度が高いなど果樹栽培に適した気候で、水はけのよい土壌もあり、果樹栽培種類数で県内一を誇ります。
庄内の在来種である「庄内柿」や、甘さの質が違うと言われる「刈屋梨」をはじめ、実に多くの種類が栽培されており、庄内浜の砂丘地帯では、水はけの良い砂丘地、銘酒の源にもなる良質な地下水、日中の強い日差しと夜の涼しさなど、メロン栽培の好条件を備え、「庄内砂丘メロン」としてブランド化されています。
また、各地にある観光果樹園では、さくらんぼ狩り、ぶどう狩り、りんご狩り、梨狩りを楽しむことができ、6月上旬~12月中旬と長い期間楽しむことができます。


精進料理

出羽三山の聖地を表す「出羽三山精進料理」

 1,400年の歴史を有する出羽三山。そこで生まれた出羽三山の精進料理は、寺院で発達した精進料理と、修験道の山伏の食生活に、北前船によって運ばれた京の文化が融合し、独自のものとして生まれました。
そして、月山のブナ帯で育まれた山菜やきのこがふんだんに使われていることが特徴で、その山の恵みの採集や下ごしらえ、保存、調理には先人の知恵が詰まっています。
 出羽三山精進料理の品々には、出羽三山信仰に所縁ある場所の呼び名がついており、それはつまり、出羽三山の精進料理を食すことで聖なる山々から贈られた「生命の源泉」そのものを味わい、体内に取り入れる事を意味しています。
現在は、各宿坊や羽黒山斎館にて、出羽三山精進料理を食べる事ができます。


郷土料理

行事食としても食される「納豆汁」

 地域の食材を使い、独自の調理方法で作られ、地域で伝承されている固有の料理「郷土料理」。
庄内の各地域でも、豊かな風土が作り出す多彩な食材を使用し、人々の手によって実に様々な郷土料理が生み出されてきました。
生きる知恵である「保存食」をはじめ、孟宗汁、どじょう汁、芋煮、きのこ汁、納豆汁、くじら汁、寒だら汁など、季節を通して様々な食材で作られる「汁もの」、神事や仏事に用いられる様々な「行事食」など、数多くの特徴ある郷土料理が存在しています。
地域によって違いも見受けられ、例えば、もち米を笹の葉で巻いてゆでて作られる「笹巻き」。
笹まきは、子どもの成長を願って県内各地で食べられてきた伝統食で、現在でも端午の節句のころに盛んに作られていますが、南庄内では灰汁を用いて作るために黄色く、北庄内では灰汁を用いない為に白い色をしています。
このように、今なお地域独自に伝承を続けている料理も数多く存在しています。


山形県オリジナル品種「つや姫」

 庄内地方は日本有数の米どころとして知られており、日本の美味しいお米のルーツとなる「亀ノ尾」が生み出された地でもあります。「コシヒカリ」をはじめ「ササニシキ」「はえぬき」「あきたこまち」「ひとめぼれ」など美味しいといわれる品種の血統をたどると、庄内で生み出された「亀の尾」に行きあたります。
 その亀の尾の良食味性を引き継いで誕生した、山形の本県オリジナル品種「つや姫(山形97号)」。10年の開発期間をかけて誕生したつや姫は、その名の通りツヤがあり、真っ白い美しいお米です。甘みや粘り気にも優れており、コシヒカリを凌ぐ美味しさとも言われています。
 日本一を誇るブナの原生林が育む滋養に満ちた水系、平野を潤す最上川や赤川などの河川、山々の腐葉土が作り出す良質な土、四季鮮やかな庄内の風土、先人達のたゆまぬ努力と知恵、そのすべてが庄内の美味しいお米を作りだしています。


ひな菓子

 江戸時代、北前船によって京都から雛人形とともに伝えられたひな菓子文化。
庄内地方では、桃の節句が近づくと、伝統的な和菓子店には山海の幸や鶴亀、桜などをかたどった色とりどりのひな菓子が並びます。古くから雛人形と一緒に飾る風習があり、雛祭りには欠かせない、職人の技が凝縮した芸術品。
その起源は定かではありませんが、江戸中期ごろには、北前船で京都や江戸から運ばれた雛人形を鑑賞する習慣が庄内地方にあり、飾り物の雛菓子が地域に定着したとされています。
春の喜びを感じながら、各和菓子店の美と技の競演を楽しむのも、庄内の雛まつりの醍醐味のひとつです。


地域で愛され続ける「酒田のラーメン」

 庄内は日本有数の穀倉地帯ではありますが、お米だけではなく地域の人々に愛されてきた麺の食文化があります。
ラーメン消費量全国一位として知られる山形県に代表されるように、8割を越える自家製麺比率と魚介類だしを中心としたこだわりスープなどで作られる「酒田のラーメン」。他にも、蕎麦どころ山形のオリジナル品種として、平成8年に「優良品種」となった蕎麦「出羽かおり」が各地で作られており、山々からあふれ出す湧水と共に打った蕎麦は、風味豊かで香り高い蕎麦に仕上がります 。
そして、庄内独自の文化として伝わる、小麦を原料にして作られる「麦切り」は、その起源は定かではありませんが、江戸時代にはすでに食べられていたといわれています。
近年では、食べる絹(シルク)を練り込んだ麺などが作られており、庄内における麺の文化は常に発展し続けています。



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