酒田でできるファームステイ!「農家そば屋 ごすけ」で里山を満喫しよう-後編

2020.12.04

近年人気の高い「グリーンツーリズム」。
グリーンツーリズムとは、農山漁村を訪問し、現地の人々と交流を図りながら農漁業体験を楽しむ余暇形態のこと。既に日本各地で様々な取り組みが行われていますが、自然豊かなここ庄内エリアも、グリーンツーリズムに力を入れている地域のひとつ。
今回は、酒田市平田地域の田沢にある「農家そば屋 ごすけ」の農村宿泊体験、後編です!

翌日も、まだまだ続く盛りだくさんの体験

昨夜はお寿司と熊鍋を肴に大層盛り上がり、少しどころかだいぶお酒がすすみ、ばったりと倒れるように寝てしまった私。
店舗裏手にある部屋が宿泊場所という近さが幸いしました。

ちなみに、寝床として岩間さんが用意してくださっていたのは、何と部屋の中のテント。
これは子供ならずとも、大人でもワクワクしてしまいますよね。

この日の朝食は、鮭の明太子漬け焼き、昨夜捌いた鯛のあら汁、温泉卵、辛子明太子、そして炊き立ての「はえぬき」。
胎蔵山の麓の冷水で自家栽培されたこの「はえぬき」は、食感、弾力ともに今まで食べたことがないほどの美味しさで、思わずおかわりを頼んでしまいました。

朝食を終えたら、今日の予定は「そば打ち体験」。
ただ、その前に色々準備があるとのことで、腹ごなしの散歩に出てみました。

田沢地区は、遠くを走る車の音がわずかにするくらいで、基本的にはとても静かな場所。
そのためか、田んぼにはサギの姿もありました。
「警戒心が強いから普通はこんな近くに来ないんだけど、歓迎しているのかもね」と岩間さんに言われ、何だか嬉しくなってしまいました。

「ごすけ」に戻ったら、いよいよそば打ち体験の時間です。
そば打ちに関しては以前体験会に参加したことがあるのですが、複数人だったため私はほぼ見ていただけ。
実際に自分で手を動かすのは今回が初めてです。

といっても、昨日の握り寿司体験と同じく岩間さんが丁寧に教えてくれるため、何も心配はいりません。

「ごすけ」で提供されるそばには、自家栽培の「でわかおり」が使われています。
そしてそば作りに非常に重要な水の量は、季節だけでなくその日の温度や湿度に合わせて加減をするのだそうです。

混ぜ方、こね方、伸ばし方、切り方などをわかりやすく教えていただいたため、こねる過程で自分のあまりの力のなさに挫折しそうになったものの、何とか無事にそばが形になりました。

「農家そば屋 ごすけ」の宿泊体験は3食付き。
3食目となる昼食はもちろん、自分が打ったそば。
そこに、こんがりと焼けたおにぎりと漬物がついてくるのですが、このざるそばは「ごすけ」のランチでも提供しているメニュー。
そば打ち体験をせずとも、そばだけを楽しむこともできます。

自分が打ったそばを食べて締めくくる形で、初めてづくしの農村宿泊体験が終了しました。

「農家そば屋 ごすけ」主人、岩間さんの挑戦

喜寿を迎えてますます元気な岩間さん。農家と「ごすけ」の経営という二足のわらじで非常にお忙しいにも関わらず、まだまだ挑戦したいことがあるそうです。
それは、少子高齢化が進むこの地域に活力を与えるため、「外貨を稼ぐ」こと。

「外貨というのは、田沢地区以外からのお金のこと。田沢コミュニティ振興会の役員をやっていることもあり、最近は酒田市内で開かれる朝市にこの地区の製品を持って行ったりしているのですが、そういう活動を通してこの地の農産物や加工品を多くの人に知ってもらうと同時に、地区の経済に還元できればと思っています。あとはモノを作るのが好きなので、例えばワラ細工とかを習って好きなものを作ってみたいですね。手作業の製品は作り方を受け継ぐ人も少なくなっているので、何とか次世代に繋ぎたいと思っています」

里山で過ごす旅。
ここには、単なる旅行では味わえないような出来事がたくさん詰まっています。
「農家そば屋 ごすけ」でのファームステイは、山形県内・県外の方のみならず、海外からの旅行者にも薦めたいと思えるほどの新鮮な体験ばかりでした。
「6月初旬には店の前で蛍が見られるよ」という岩間さんの言葉に、絶対にまた戻ってこようと心に誓い、「ごすけ」を後にしました。

【番外編】後日、ラーメンを食べに伺いました。スープはなんと……

宿泊体験をしてから約一週間後、昼食をとるために「ごすけ」を再訪した私。
そばは既に食べたので、今回はラーメンをチョイス。
看板猫の茶虎とじゃれ合いながら、ラーメンの到着を今か今かと待っていました。

実はこれ、単なる醤油ラーメンではありません。
何と「熊がらスープ」が使われているのです。

見た目にはとろみがあるように感じられますが、味は予想を覆すほどのさっぱり醤油。
しかし鼻から抜ける香りに、鶏ガラとは異なる野性味が感じられます。

岩間さんによると、熊肉には身体を温めたり、滋養強壮に効果があるのだそう。
その言葉通り、食後は、熱いラーメンを食べたからという以上に体がぽかぽかしていました。

ラーメンが有名な酒田の中でも、熊がらスープがあるのはかなりレア!
「農家そば屋 ごすけ」に行ったら、是非味わってみてください。
もちろん、熊がらではない、普通の醤油ラーメンや味噌ラーメンもありますよ。

「農家そば屋 ごすけ」情報

屋号:「農家そば屋 ごすけ」
代表者名:岩間 政幸
住所:山形県酒田市田沢寺の下37
電話番号:0234-54-2766
Email:gosuke@kzf.biglobe.ne.jp
宿泊体験営業期間:通年。1日1組3名まで。
宿泊体験料金:1泊7,000円/人(3食付き)
その他体験メニュー:そば打ち体験1,200円/人、本格手打ちラーメン体験1,200円/人など。
そば屋営業時間:11:00~14:00、17:00~23:00(夜は、客入り次第で閉店が早まる場合もあり。電話確認がベター)
そば屋メニュー:ざるそば850円、鴨そば1,000円、醤油ラーメン600円など
備考:訪問時期により体験内容が変わるため、要問合せ。そば打ち/本格手打ちラーメン体験は通年。出張もあり。

<ライター紹介>

ライター:ガンバリーニ杏子
神奈川県鎌倉市出身。2018年3月にフランス人の夫とともに酒田市に移住。
ライター仕事や翻訳・通訳業、ブログ「ボンジュール庄内」運営のかたわら、2020年6月より酒田市中心商店街にボードゲームカフェ&バー「Chez Pierre(シェ・ピエール)」を夫とともにオープン。北庄内地域通訳案内士の資格も所持。愛猫の「ぽんぽん」に齧られるのが日課。

【作成記事】
庄内の恵みを丸ごとペロリ!完全予約制の「体験型農家レストラン『小田原』」
酒田でできるファームステイ!「農家そば屋 ごすけ」で里山を満喫しよう-前編
鶴岡の「産直んめ農マルシェ」は地元の「んめ~の~」なものに溢れてる