神秘の泉に魅せられる!庄内屈指の映えスポット・丸池様
2021.06.30こんにちは、地元ライターの國本です。
庄内の“映える”スポットとして真っ先に名前の上がる場所のひとつ、「丸池様」。エメラルドグリーンの水面は思わずシャッターを切らずにはいられない幻想的な美しさです。
多くの人々がこの景色を見に訪れる丸池様ですが、実は丸池様について深くは知らない方がほとんどなのではないでしょうか。そこで今回は、丸池様とは一体どんな場所なのかを探っていきます。
「丸池様」とは?
鳥海山の麓、山形県遊佐町に位置する丸池様。丸池様というのは一般的な呼び名で、正式には鳥海山大物忌(おおものいみ)神社の境外末社に当たる「丸池神社」という神社。古くから池そのものが御神体として崇められてきました。2008年(平成20年)には、鳥海山信仰の一翼を担う重要な史跡として国指定史跡にも指定されています。
江戸時代後期の1830年代に遊佐町下長橋の風流人たちが遊佐郷の景勝地を巡ったことを記した「遊佐細見往来」という書き物には、もし丸池様にごみなどを投げ入れたら、強い風が吹いて田畑が吹き飛ばされるのでやめなさい、というようなことが記されています。
今でこそ多くの人が訪れる丸池様ですが、元々は神聖な場所として人々が畏怖の念を抱いていたことがこの記述からも伺えますね。地元の子どもが悪いことをするとここに連れてこられたという話もあるくらいで、恐い場所という印象を持っている方も少なくないんだとか…。
鳥海山からの伏流水を水源とした湧水が町のいたるところに見られる遊佐町ですが、丸池様も例に漏れず、直径20メートル・水深3.5メートルの御池の水は湧水だけで満たされています。鳥海山の山上にある鳥海湖と丸池様の水脈は、地中深く通じているという言い伝えもあるそうです。
また、池の周りにはうねった原始林が生い茂っており、町の天然記念物にも指定されています。
江戸時代後期の1830年代に遊佐町下長橋の風流人たちが遊佐郷の景勝地を巡ったことを記した「遊佐細見往来」という書き物には、もし丸池様にごみなどを投げ入れたら、強い風が吹いて田畑が吹き飛ばされるのでやめなさい、というようなことが記されています。
今でこそ多くの人が訪れる丸池様ですが、元々は神聖な場所として人々が畏怖の念を抱いていたことがこの記述からも伺えますね。地元の子どもが悪いことをするとここに連れてこられたという話もあるくらいで、恐い場所という印象を持っている方も少なくないんだとか…。
鳥海山からの伏流水を水源とした湧水が町のいたるところに見られる遊佐町ですが、丸池様も例に漏れず、直径20メートル・水深3.5メートルの御池の水は湧水だけで満たされています。鳥海山の山上にある鳥海湖と丸池様の水脈は、地中深く通じているという言い伝えもあるそうです。
また、池の周りにはうねった原始林が生い茂っており、町の天然記念物にも指定されています。
丸池様の側には同じく鳥海山の湧水を源にした牛渡川(うしわたりがわ)が流れており、秋には多くの鮭が遡上する光景もみることができます。丸池様の美しさは言わずもがなですが、牛渡川に流れる透明な水と、その水の流れに合わせてゆらゆらとたなびく梅花藻(ばいかも)の姿もまた、見ていてついうっとりしてしまう美しさです。
鳥海山大物忌神社とは?
遊佐町のシンボルであり、その秀麗さから「出羽富士」とも呼ばれる鳥海山。人々は山麓周辺の人々の守り神であるこの山を、古くより「大物忌神(おおものいみのかみ)」として崇めてきました。つまり鳥海山大物忌神社は、鳥海山を御神体と仰ぐ神社なのです。
鳥海山大物忌神社は鳥海山の山岳信仰の中心を担っており、鳥海山山頂の「御本社」、そして「吹浦口ノ宮」・「蕨岡口ノ宮」の二つの里宮、計三社で構成されています。吹浦口ノ宮には、大物忌神と共に月山の神である「月読命(つきよみのみこと)」も祀られています。「蕨岡口ノ宮」は、映画「るろうに剣心 京都大火編」のロケ地としても有名です。
丸池神社の御朱印は鳥海山大物忌神社で拝受することができるそうなので、ご希望の方は是非立ち寄ってみてください。
鳥海山大物忌神社は鳥海山の山岳信仰の中心を担っており、鳥海山山頂の「御本社」、そして「吹浦口ノ宮」・「蕨岡口ノ宮」の二つの里宮、計三社で構成されています。吹浦口ノ宮には、大物忌神と共に月山の神である「月読命(つきよみのみこと)」も祀られています。「蕨岡口ノ宮」は、映画「るろうに剣心 京都大火編」のロケ地としても有名です。
丸池神社の御朱印は鳥海山大物忌神社で拝受することができるそうなので、ご希望の方は是非立ち寄ってみてください。
丸池様についての疑問
丸池様を見ていると真っ先に浮かぶのが、「なぜこんなに綺麗なエメラルドグリーンなの?」という疑問ではないでしょうか。これは、水の透明度が高いからなんだそう。透明度の高い水に太陽光が当たり、光の屈折や吸収などの諸条件が揃うことで、グリーンやブルーの色に見えるのです。
また、私自身初めて丸池様を見たときは、ただ、ただ御池の美しさに魅了されていたのですが、よくよく考えると水の中に沈んでいる倒木などが朽ち果てていないのもとっても不思議ですよね。その理由はズバリ水温。年間を通して約11℃と冷たく、また、池の底から絶え間なく水が湧いて入れ替わっているため、池に沈んでいる樹木が腐敗しないんだそうです。エメラルドグリーンの池の中にうねった原始林が沈んでいる姿はまるで龍のようにも見え、より一層神秘的な雰囲気を醸し出しています。
そして気になるのが、池の中に生き物はいるのか?ということ。一見何もいないように見えますが、イバラトミヨという淡水魚がいるようです。
実は丸池様には、前九年の役で源氏の鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)が敵に左の眼を射抜かれ、見事敵を打ち取った後にこの御池で眼を洗ったため、以来御池に棲む魚は鎌倉景正に敬意を表してみな片目になったという伝説が。御池の生物を獲ることは禁じられているので実物を見て確かめることはできませんが、気になりますね…!
ちなみに、丸池様を見に行くのに最適な時間帯は、晴れた日のお昼前後だそうです。見に行く約1週間前に天候の悪い日があると落ち葉などで池が綺麗に見えないことがあるそうなので、写真を撮るのが目的の方は数日前の天気もチェックしてみてください。
また、私自身初めて丸池様を見たときは、ただ、ただ御池の美しさに魅了されていたのですが、よくよく考えると水の中に沈んでいる倒木などが朽ち果てていないのもとっても不思議ですよね。その理由はズバリ水温。年間を通して約11℃と冷たく、また、池の底から絶え間なく水が湧いて入れ替わっているため、池に沈んでいる樹木が腐敗しないんだそうです。エメラルドグリーンの池の中にうねった原始林が沈んでいる姿はまるで龍のようにも見え、より一層神秘的な雰囲気を醸し出しています。
そして気になるのが、池の中に生き物はいるのか?ということ。一見何もいないように見えますが、イバラトミヨという淡水魚がいるようです。
実は丸池様には、前九年の役で源氏の鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)が敵に左の眼を射抜かれ、見事敵を打ち取った後にこの御池で眼を洗ったため、以来御池に棲む魚は鎌倉景正に敬意を表してみな片目になったという伝説が。御池の生物を獲ることは禁じられているので実物を見て確かめることはできませんが、気になりますね…!
ちなみに、丸池様を見に行くのに最適な時間帯は、晴れた日のお昼前後だそうです。見に行く約1週間前に天候の悪い日があると落ち葉などで池が綺麗に見えないことがあるそうなので、写真を撮るのが目的の方は数日前の天気もチェックしてみてください。
訪問する際の注意点
その美しい景色を一目見ようと多くの方が訪れる丸池様ですが、近年、御池の周りの柵の中に入って写真を撮る方が散見されます。丸池様は神社という神聖な場所であり、また、御池周辺の原始林は天然記念物でもあることから、自然保護の観点からも柵を越えての撮影は絶対にお辞めください。また、当然ですが物を投げたりすることも厳禁です。
みんなでマナーを守って、この景色と自然環境を守っていきましょう!
【施設情報】
施設名:丸池神社(丸池様)
場所:山形県飽海郡遊佐町直世荒川57
アクセス:JR吹浦駅から車で5分、日本海東北自動車道 酒田みなとICから車で25分
電話:0234-72-5666(NPO法人 遊佐鳥海観光協会)
駐車場:あり
駐車料金:無料
現地ガイドについて:ご希望の方は、遊佐鳥海観光協会までお問い合わせください。
みんなでマナーを守って、この景色と自然環境を守っていきましょう!
【施設情報】
施設名:丸池神社(丸池様)
場所:山形県飽海郡遊佐町直世荒川57
アクセス:JR吹浦駅から車で5分、日本海東北自動車道 酒田みなとICから車で25分
電話:0234-72-5666(NPO法人 遊佐鳥海観光協会)
駐車場:あり
駐車料金:無料
現地ガイドについて:ご希望の方は、遊佐鳥海観光協会までお問い合わせください。
縄文時代の遺跡群が存在?!
丸池様の周辺には、なんと小山崎(こやまざき)遺跡、柴燈林(さいとうばやし)遺跡など縄文の遺跡群が存在します。丸池様から続く道を15分ほど歩いて行くとたどり着くのが小山崎遺跡。縄文時代中期から後期(4,200年〜3,000年)を中心とする集落と、周辺の環境を利用した水辺遺構が良好な状態で保存されており、日本海沿岸部北部の縄文文化を解明する上で重要な遺跡として2020年に国指定史跡になりました。
遺跡から出土した人骨を調べたところ、ここに住む方々はこの頃からたくさん鮭を食べていたことがわかったそうです。現代と縄文時代の共通点がわかるのも面白いですね!
丸池様を見学した後は、貴重な史跡にも立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
<ライター紹介>
地元ライター:國本 美鈴(くにもと みすず)
埼玉県深谷市出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、都内の情報・通信系企業にて新規事業立ち上げやメディアの編成・PR等を担当したのち、2019年7月〜庄内に移住。現在、庄内町地域起こし協力隊観光PR担当として、イベントの企画やSNS等を活用した地域の情報発信などを行うほか、北庄内地域通訳案内士の資格も持つ。これまで訪問した国は45カ国という大の旅好き。庄内の魅力を県内外、そして海外の人にも発信すべく奮闘中!
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