まるで天空散歩!美しい高山植物に出会える月山八合目弥陀ヶ原ガイドツアー
2021.08.31こんにちは、地元ライターの國本です。
出羽三山の主峰「月山」。日本百名山の一つでもある月山の開山シーズン(7〜9月)には、毎年多くの参拝者やトレッキング客が訪れます。
そんな月山ですが、なんと御参拝やトレッキング以外にも楽しみ方が。実は、月山は130種類以上の花が咲き誇る高山植物の宝庫。標高1,984mにも関わらず、豪雪による厳しい環境が影響して、通常3,000m級の山でしか見られない貴重な高山植物を楽しむことができます。
中でも、八合目にある「弥陀ヶ原」の湿原は、その景色の美しさから“天空の楽園”と呼ばれており、山頂にかけて国の天然記念物にも指定。頂上まで登ることができなくても、弥陀ヶ原を散策するだけでたくさんの高山植物に出会えるのです。
何を隠そうこの私、以前月山の山頂まで登ったのですが、その際は登ることに必死で花を観賞する心の余裕がありませんでした。そこで、今度こそ月山の花を楽しむべく、羽黒山に引き続き「月山観光ガイドの会」の佐藤雅広さんに2時間にわたって弥陀ヶ原を案内していただきました。今回は、その様子をたっぷり写真付きでレポートします!
(※)2021年7月末に取材した内容となります。
弥陀ヶ原ガイドのスタート地点、月山八合目へ
なお、駐車場の混雑状況は、月山八合目駐車場ライブカメラで確認することが可能です。特に休日など登山者が多い日は朝から駐車場がいっぱいということもあるので、ぜひ事前にチェックしてみてください。弥陀ヶ原だけの散策であれば、午後から出発すれば登山客と時間帯が被らないので比較的混雑が避けられるそうです。
(※)個人でお申し込みの場合。団体の場合は随神門前駐車場(食事処いしい向かいの市営駐車場)に集合となります。詳しくは羽黒町観光協会までお問い合わせください。
いざ、“天空の楽園”へ
ただし、転倒や踏み外しの危険もあり、雨の日などはとても滑りやすいので、必ずトレッキングシューズやスニーカーを履いてください。また、山の天気は変わりやすく、傘を差すのは禁止されているため、雨具も必携だそうです。
ちなみに月山には刺してくるような虫はいないそうで、虫除けにはそこまで気を使わなくていいのが嬉しいですね。
元々花に詳しかったわけでもないし、興味もなかったという佐藤さん。しかし、7年ほど前に月山観光ガイドを始め、図鑑を見たり、山頂小屋の主人である芳賀竹志氏の著書で月山の高山植物について書かれた「月山花賛歌」という本を読んだりして勉強しつつ、実際に山を歩いて実物と照らし合わせることを繰り返し、徐々に知識を蓄えていったのだそう。
とは言え、同じ花でも毎年咲くところが違ったり、年によって多く咲く花も違ったりする月山。
「最近になってようやく案内するのに不安がなくなってきましたよ。」
と、佐藤さんは笑って話してくれましたが、それだけ月山の高山植物は多種多様で、覚えたり人に説明したりするのがどれだけ大変かということを垣間見たのでした。
「生きるか死ぬか、ここが人生の分かれ道です!(笑)」と、佐藤さん。なるほど、出羽三山の中で月山は“死後の安楽と往生を祈る山(=過去)”なので、山頂へと登るということはつまり死ぬ、ということなのですね。それとも、単純に登るのが辛いから、という意味でしょうか…!?
池塘とは湿原の泥炭(でいたん)地帯にできる特殊な池のことで、その大きさや形は場所によって様々。“月山”だけに、なんだかクレーターのようにも見えますね。
ミヤマホタルイは見かけが稲に似ているだけでなく、稲の花と同じ時期に淡緑色の小さな花を咲かせるので、昔の人々は月山に来て、ミヤマホタルイの生育状況を見た上で豊作になるかどうかを予想し、御田原神社で願掛けをして帰ったのだそうです。
ちなみに、我々が見た時も十分綺麗だったコバイケイソウですが、満開の時はこの写真のように先の方まで白い花が咲くそうですよ。是非次のオリンピックのタイミングにあわせて、満開のコバイケイソウを見に弥陀ヶ原に足を運んでみてくださいね!
月山八合目弥陀ヶ原ガイドツアーを終えて
滅多にアウトドアもしないし、花や植物にもそこまで興味のない私でしたが、“天空の楽園”の美しさにすっかり魅了された2時間でした!ちなみに、弥陀ヶ原の遊歩道はなだらかだったため、歩き終えたあとは心地よい疲労感で、運動不足の身体にはちょうど良い運動になりました。
もちろん自分たちだけで木道を散策するのも気持ち良いですが、毎年花が咲く場所も違いますし、行く時期によって咲いている花も異なるということで、ガイドの方と一緒に散策して植物や弥陀ヶ原の説明をしていただいた方が、何倍も弥陀ヶ原散策を楽しめること間違いなしです!2時間までは時間のない方も、60分、90分などご自身の都合に合わせて時間は調整できますよ。
是非一度、月山弥陀ヶ原湿原の自然を知り尽くしたガイドのツアーを体験してみてください!
【月山八合目弥陀ヶ原ガイドについて】
7月1日~10月上旬(月山閉山まで)
<所要時間>
約60分/約90分/約120分 ※準備体操時間も含む
<料金>
・1〜2名様:6,000円
・3名様:9,000円
・4〜20名様:10,000円
※ガイド1名当たりの料金。20名を超える場合はガイド1名追加を推奨。(1名追加につき10,000円。)
<お申込み・お問い合わせ>
・羽黒町観光協会事務局(月山観光ガイドの会)
受付時間:4月-11月 9:00-16:30/12月-3月 9:30-16:00(定休日毎週火曜)
TEL : 0235-62-4727/FAX: 0235-62-4729
E-mail: hagurokanko@bz04.plala.or.jp
・お申込み期限:ガイド当日の4日前までに、メールかFAXか電話でお申し込みください。
<旬な情報はこちら>
月山観光ガイド Facebook
羽黒町観光協会公式サイト
月山観光ガイド利用者限定!オリジナルポストカード
月山観光ガイドの会では、個人でガイドを利用者された方向けにオリジナルポストカードを配布しています。こちらは2016年(平成28年)に月山の高山植物の魅力を多くの方に知っていただきたいという想いで制作したもの。何種類もの高山植物の写真が使われていて、とても綺麗ですね!
ちなみに、一緒に写っているクリアファイルは、いでは文化記念館にて購入することができます。(税込250円)月山観光の思い出に、こちらも是非お手にとってみてくださいね。
<ライター紹介>
埼玉県深谷市出身。早稲田大学国際教養学部卒業後、都内の情報・通信系企業にて新規事業立ち上げやメディアの編成・PR等を担当したのち、2019年7月〜庄内に移住。現在、庄内町地域起こし協力隊観光PR担当として、イベントの企画やSNS等を活用した地域の情報発信などを行うほか、北庄内地域通訳案内士の資格も持つ。これまで訪問した国は45カ国という大の旅好き。庄内の魅力を県内外、そして海外の人にも発信すべく奮闘中!
【作成記事】
・日本史好き必見!徒歩で行く“歴史の里”きよかわ観光ガイドツアー
・まだ知らない羽黒山に出会える?!地元ガイドによる羽黒山ツアー
・神秘の泉に魅せられる!庄内屈指の映えスポット・丸池様
・絶品“酒田フレンチ”で思わず笑顔がこぼれるひと時を−「Restaurant Nico」
・出羽三山の恵みをいただく“おいしい修行”−羽黒山参籠所「斎館」
・今更聞けない!?日本有数のパワースポット、出羽三山とは
・働くを楽しもう♪庄内のワーケーションスポット
・女子旅におすすめ!ちょこっと寄れる日帰り温泉&足湯カフェ
・みんな違ってみんな良い!庄内エリア道の駅特集
・日本酒だけじゃない!庄内でワインを楽しめるスポット
・徒歩&公共交通機関で行ける!酒田市 町歩きスポット
・親も子も大満足!庄内“子連れ旅”おすすめスポット
・【観光の舞台裏vol.8】藤島歴史公園「Hisu花」ワークショップ リーダー 井上夏
・【観光の舞台裏vol.7】山伏/出羽三山宿坊 養清坊 当主 星野 博
・【観光の舞台裏vol.6】時を奏でる宿 若葉旅館 若旦那(専務取締役) 矢野 慶汰
・【観光の舞台裏vol.5】庄内飛龍會 会長 柿崎 淳
・【観光の舞台裏vol.4】「菜の花まつり」事務局 三川町観光協会 今野 徹・澤田 佳子
・【観光の舞台裏vol.3】道の駅鳥海ふらっと駅長 白畑 正照
・【観光の舞台裏vol.2】舞娘茶屋「相馬樓」芸妓 小鈴
・【観光の舞台裏vol.1】加茂水族館ボランティアガイド「岩ゆり」会長 石名坂績