山から里へ、そして里から日本海へ・・・巡りめぐる湧水・名水の数々

2018.12.25

鳥海山、月山に囲まれた庄内。その山の恵みは山菜だけじゃないんです。山に降る雨や雪は春になると冷たい雪解け水となり豊富な水を里に届けてくれます。そんな山の恵み湧水を汲めるスポットやマイナスイオンたっぷりの滝がいっぱい。ココロもカラダも癒される湧水・名水めぐりにでかけませんか?

鳥海山の麓に湧水スポットが多いワケ

日本百名山のひとつ鳥海山(ちょうかいざん)。標高2,236mの頂上付近には平地の10倍もの降水量があり、最大地点での積雪は推定50m以上にも!? 一年中解けることのない万年雪がその風景を想像させてくれます。「水筒いらずの山」と言われるほど雨や雪を大地に貯え、きれいにろ過し、何百年もの歳月をかけて極上の伏流水として湧き出てきます。鳥海山のおかげで麓には湧水スポットがいっぱいあるんですね。しかし、いくら「水筒いらずの山」でも、登山やハイキングに行く方は水筒をお忘れなく!
気軽に湧水めぐりにでかけませんか?

気軽に湧水めぐりにでかけませんか?

鳥海山の玄関口、遊佐駅周辺には湧水スポットが15ヵ所も。その他にもたくさんの自噴の井戸があり、その数なんと300ヵ所以上とも!? それだけ豊富に水が湧き出ていて、地元の人には欠かせないものになっているんですね。ぜひ街歩きして豊富な湧水に触れてみませんか?

水汲み人気NO1 胴腹滝

鳥海山の伏流水が山腹から湧き出ている胴腹滝(どうはらのたき)。この伏流水を汲むために定期的に通う人がいるほどの人気NO1水汲みスポットです。杉林の中にたたずむ杜を挟んで2つの滝があり、周辺には苔むした石がゴロゴロと! その石の所々に鎮座する石仏が幽玄で神秘的な雰囲気を醸し出してくれています。左の滝と右の滝では水の味が違うとか!? ぜひ味比べしてみて。冬でも凍ることはありませんが、山の中にあるので冬の装備はお忘れなく! 駐車場から徒歩約5分。
水を汲むならここ! 鳥海三神の水

水を汲むならここ! 鳥海三神の水

農林漁業体験実習館「さんゆう」の目の前に整備されている鳥海三神の水(ちょうかいさんしんのみず)。7ヵ所のパイプから常に冷たい水が勢いよくでています。駐車場も広くすぐ側に駐車できるので、水を汲みたい方におすすめ。県外からも多くの方が訪れて行列ができる日もあるほど。「さんゆう」の食堂では、地元で栽培したそば粉と湧水で打った風味もコシも強い金俣そばを味わえます。鳥海山の伏流水を使って打った蕎麦は格別!(食堂は土日祝日のみ営業)

エメラルドグリーンの神秘的な池 丸池様

池そのものが丸池神社の御神体となっている丸池様。池の底から湧き出る水でできている池なんです。透明度が高く、水温も低いので池に沈んでいる倒木も朽ち果てることがないそう。日が当たるとより一層エメラルドグリーンの池がキラキラに。池の周辺に生える巻き付いた樹木も神秘的で時間を忘れて見入ってしまいそう。駐車場は箕輪(みのわ)鮭孵化場を利用して。(孵化場から徒歩約5分)
清流に咲く可憐な花 牛渡川の梅花藻

清流に咲く可憐な花 牛渡川の梅花藻

丸池様のすぐそばを流れる牛渡川。川岸から水が湧き出ている場所があり、鳥海山の湧水がポコポコと湧き出ている場所が見つかります。そんな清流にしか咲かない花「梅花藻(ばいかも)」はぜひ見ていただきたい。川底に映えた藻から梅の花に似た可憐な白い花が咲き、藻と一緒に浮かび上がってきます。藻の新緑に映える小さくてかわいい花は必見ですよ!(梅花藻の見ごろ:6月下旬~7月上旬)

海底にも水が湧き出る 釜磯海岸

7月中旬~8月中旬は海水浴場になる釜磯海岸。でも海水浴だけじゃないんです。釜磯海岸には、砂浜や岩の間から鳥海山の伏流水が湧き出ている場所が何カ所も。しかもボコボコと!! 10度前後の水が湧き出ているので、周りはびっくりするほど水温が低くなっているんです。そのボコボコの中に手や足をいれて湧水を体感して! 砂浜に水が湧き出ている場所を直接触れられるとっても珍しい場所です。
湧水のおかげでミネラルたっぷり 天然岩ガキ

湧水のおかげでミネラルたっぷり 天然岩ガキ

牡蠣の旬は冬って思っている方がほとんどですよね?海岸の岩に張り付いて育つ庄内の天然岩ガキは6月~8月の夏が旬なんです。
岩ガキはもともと旨みをたっぷりと蓄え、身も太って甘いのが特長ですが、庄内の岩ガキは一味違います。なんといっても鳥海山の冷たい伏流水のおかげで、ミネラルをたっぷり含み身がぷりっと大きく一口では食べきれないほどの大きさに。一口ほおばれば「これでもかっ!!」というほど岩ガキの甘みが口いっぱいに広がることでしょう。
道の駅鳥海「ふらっと」やさかた海鮮市場などで食べられます。もちろんその場で剥いてくれますよ。(1個500円程度~)

断崖絶壁から落ちる迫力満点の直瀑 玉簾の滝

落差63mの高さから一直線に落ちる直瀑 玉簾の滝。すぐそばまで行けるので、迫力満点の光景が目の前に!断崖絶壁から流れ落ちる水が、日の光に反射されキラキラと輝きます。タイミングが合えば虹がかかるかも。轟音響く滝つぼからはマイナスイオンたっぷりの水しぶきが。冬には凍り付いた滝をみることもできます。但し、除雪はされていないので長靴とスコップは必須です。GW盆期間はライトアップも。日中とはまた違った幻想的な空間が広がります。駐車場から徒歩約5分。
不動の滝 別名「開運出世の滝」

不動の滝 別名「開運出世の滝」

酒田市内から玉簾の滝に行く途中にある不動の滝にもぜひ立ち寄って。別名「開運出世の滝」と言うだけあって見るだけでご利益がありそう! ゴツゴツとせり出した岩肌を分かれながら落ちていく流れが印象的(落差約15m)。駐車場は産直どんでん畑を利用して。駐車場より徒歩約3分。

迫力満点の瀑声 一ノ滝

一ノ滝へは遊歩道が整備されているので、初級者向けのトレッキングにおすすめ。赤い鳥居をくぐりブナ林を歩いていくと神社があり、その辺りからゴー、ドーっという音が!? 観瀑台に近づくごとにその音はどんどん大きくなっていきます。断崖から滝つぼに一直線に落ちる迫力満点の音と光景を楽しんで。駐車場より徒歩約5分。一年中鑑賞できますが、冬期間はインストラクターの同行が必要です。

2つに分かれて落ちる美しい滝 二ノ滝

一ノ滝からさらに20分遊歩道を歩くと二ノ滝に到着です。その名のとおり2つに分かれて落ち、つりあいがとれ整っている美しい滝と言われています。雪解けの時期は圧倒されるほどの迫力ある水量に。滝の手間にあるゴロゴロと並ぶ大きな岩が、さらに滝を迫力満点の姿に見せてくれます。一年中鑑賞できますが、冬期間はインストラクターの同行が必要です。その先に三ノ滝もありますが、二ノ滝から先は登山道になりますので登山靴などの装備をお忘れなく!
二ノ滝氷柱トレッキングツアー

二ノ滝氷柱トレッキングツアー

厳冬期の2月になると二ノ滝は滝全体が凍りつき巨大氷柱の滝ができあがります。氷柱に近づくと青く不思議な色になっていることに気づかされます。滝つぼも凍ったときは滝の裏側までみることもできますよ。片道徒歩で約2時間かかりますが、スノーシューの貸し出しもあり、ガイドも同行しますので初めての方でも安心ですよ。銀世界広がる冬ならではの景色を見に訪れてみませんか?(要予約)

新緑・紅葉の名所 七ツ滝

かつて参詣道だった古道沿いにある七ツ滝。幾本にも分かれた流れがやがて一本にまとまって滝つぼに落ちていきます(落差90m)。大自然に囲まれた滝は新緑の時期は清々しい景色に、紅葉の時期には周辺が真っ赤に染まり目の保養になること間違いなし!? 滝の全景を見るには七ツ滝公園がおすすめ。公園のすぐそばに駐車場があります。
出羽の古道 六十里越街道トレッキング

出羽の古道 六十里越街道トレッキング

かつて湯殿山・月山への参詣道として栄えた六十里越街道。七ツ滝もその古道沿いにありますが、その他にも見どころがたくさん!龍神様によく似た形の龍神ブナ、千手観音のように大きく枝を広げた千手ブナ、ブナのトンネルが約50mも続く大堀抜(おほのぎ)など・・・。初心者コースから本格的な2泊3日コースまでどなたでも古道歩きが楽しめます。

おすすめは船上から 白糸の滝

最上川沿いに標高が300~500mの山地があり迫力ある急斜面に圧倒される最上峡。そんな最上峡には滝がたくさんあるのですが、その中でも最大の123mの落差がある白糸の滝。赤鳥居の脇を白糸のように一筋で最上川へ流れていきます。最上川舟下りの船上から近づいて鑑賞するのがおすすめですが、もっと滝に近づきたい!!という方は草薙港から出航する白糸の滝航路をご利用ください。以前は船上からしか見ることができなかった白糸の滝を船から下船して、目の前で見られちゃうんです。4月~11月限定で3日前まで予約が必要です。
ランチやお茶をしながら滝鑑賞 白糸の滝ドライブイン

ランチやお茶をしながら滝鑑賞 白糸の滝ドライブイン

白糸の滝の対岸にある白糸の滝ドライブインは、最上川をはさんで白糸の滝の全景を見ることができる撮影スポット。一面ガラス張りで眺望抜群のレストランの中には真向いに滝を見ることができる隠れた撮影スポットが。食事のあとはぜひここで記念撮影をどうぞ。もち米と小豆を一緒に煮た郷土料理「いとこ煮」をのせたソフトクリームやフルーツをたっぷり使ったパフェや自家製ケーキなどスイーツも充実。売店やパーラー白糸の滝でティータイムはいかがですか?