鶴岡の「産直んめ農マルシェ」は地元の「んめ~の~」なものに溢れてる

2020.12.21

近年人気の高い「グリーンツーリズム」。
グリーンツーリズムとは、農山漁村を訪問し、現地の人々と交流を図りながら農漁業体験を楽しむ余暇形態のこと。既に日本各地で様々な取り組みが行われていますが、自然豊かなここ庄内エリアも、グリーンツーリズムに力を入れている地域のひとつ。
今回は、鶴岡市にある産直施設「んめ農マルシェ」にお邪魔してきました!

JA庄内たがわが運営する産直「んめ農マルシェ」とは

産直施設といえば、生産地や生産者がわかる新鮮な農作物をリーズナブルな価格で買えるのが魅力ですよね。
鶴岡市中心部から車で10分ほど行ったところにある「んめ農マルシェ」も、そんな産直のひとつ。
JA庄内たがわが運営する初の産直施設として2018年7月30日にオープンし、3年目を迎えた今は、観光客だけではなく地元の人からも愛される場所となっています。

産直「んめ農マルシェ」があるのは「小真木原公園」という大きな公園のすぐ隣。
車を走らせていると見える大きな看板のおかげで、道に迷う心配もありません。

「んめ農マルシェ」看板の上部には「庄内おばこの里 こまぎ」という提灯がついていますが、これは「んめ農マルシェ」が入っている複合施設の名称。
産直だけでなくメディカルフィットネスに天然温泉もあるという、お買い物のみならずリフレッシュもできるという贅沢な場所です。

「んめ農マルシェ」の中に入ってまず驚いたのが、開放感あふれるスペースと明るさ。
地元に根付いた産直というと、「置いてある商品は確かだけれど、売り場は殺風景なところが多い」という勝手なイメージを持っていたのですが、見事に裏切られた気分でした。

広々とした店内には、地元産の果物や野菜、お米、加工品、お花などが所せましと並べられています。
旬の庄内柿は、6個も入っているのに何と200円!
これは……取材を忘れて真剣にお買い物をしてしまいそうな心持ちになってきました……

ちゃんと取材!「んめ農マルシェ」店長の榎本さんにお話を伺いました

お買い物したい欲を抑え込み、店舗奥にあるカフェスペースで店長の榎本満(えのもと みつる)さんにお話を伺いました。
ちなみに「インターネットに載るとはずかしい」とのことで、榎本さんのお写真はありませんので悪しからず。
(穏やかな喋り方のダンディな方でした)

3年目を迎えた「んめ農マルシェ」は、主に地元の人の利用が多いものの、土日には県内の他エリアや県外からも、新鮮な農産物を求めてお客さんがやってくるそう。
榎本さんによれば、「土日は平日の倍くらいの人出」があるのだとか。

提携している生産者の方が納入する様々な商品を取り扱う「んめ農マルシェ」。
農産物に関しては、農家の方が毎朝届けにくるのだそうです。

取材に伺った11月下旬の目玉は庄内柿、そして庄内といえばの新米。
他の季節はというと、春の山菜に孟宗筍や苺、6月のさくらんぼ、7月の庄内メロン、9月の梨に秋のキノコ類と、庄内の恵み溢れる品ぞろえで、地元の方々が足しげく通うのも納得です。

榎本さんのお話を伺っている間、時々「ゴウンゴウン」という音が店内に響いていたのですが、それは精米機の音。
袋詰めされたお米ももちろん販売されていますが、その脇のカウンターでは、「つや姫」「はえぬき」など全国的にも有名な品種の玄米が量り売りされていました。

また、JA庄内たがわは北海道や和歌山、静岡のJAとも提携しているため、北海道産のジンギスカンや新巻鮭、和歌山産・静岡産のみかんも販売されています。

特に北海道直送のジンギスカンに関しては、山形県内の産直で取り扱っているのは「んめ農マルシェ」だけだそう。
東北にいながら、生産者がしっかりわかる他県の製品を手に取ることができるのは、さすがJAといった感じです。

「んめ農マルシェ」で私が気になったものをピックアップ!

あれもこれもと目移りしてしまいそうな「んめ農マルシェ」の品ぞろえですが、個人的に気になったものをピックアップしてみます。

まずは赤紫色が印象的な鶴岡市温海の在来野菜「あつみかぶ」。
庄内エリア以外でもお漬物は見かけますが、加工前の状態を見ることはこれまであまりありませんでした。
また、「在来野菜は高い」という勝手なイメージを持っていたのですが、これだけたっぷり入ってなんと350円。
さすが産直、お財布に優しい価格です。

入口近くで販売されていた「うめもどき」。
小さな赤い実がとてもかわいいこの商品は縁起物の飾りで、生産者の方が一つ一つ手作りをしているのだそう。

加工品の中には、お弁当やお惣菜に加え、スイーツ類もありました。
これは羽黒町にある「つきよ」の焼き菓子やプリン。
自家製無農薬の薔薇の粉末を使った「薔薇の香りのゆるゆるプリン」という珍しいものも。

そして気になったのが、月山ワインのコーナー。
庄内エリアにある酒屋と比べても売り場面積が広いことに驚きました。

それもそのはず、月山ワインはJA庄内たがわが地元自治体や農家と協力して研究開発した商品。
山形県外ではなかなかお目にかかれないため、ワイン好きの方は要チェックです。

ワインはあまり……という方は、「ワイン染めシルク」はいかがでしょうか。

「んめ農マルシェ」がある鶴岡市は、現在でも養蚕から織物までの一貫工程が残る日本で唯一の場所。
旧庄内藩士たちがきっかけとなって国内最北限の絹生産地として発展したこともあり、「サムライゆかりのシルク」として、日本遺産にも登録がされているほどです。
その鶴岡産シルクを、2020年7月の豪雨で浸水被害を受け販売不可となった月山ワインで染めたのがこの商品。
優しい色合いがとても綺麗で、最近特に人気がある商品なのだとか。

※月山ワインについて詳しく知りたい方は、地元ライターの國本さんによる記事も是非ご覧ください。
「日本酒だけじゃない!庄内でワインを楽しめるスポット」

行くたびに楽しいキャンペーンが!SNSで話題の商品も?

取材に伺った日、精肉売り場には「10%割引」の札が。
これは「んめ農マルシェ」が毎週火曜日に行っているキャンペーンだそう。

店内に張り出されているイベントカレンダーでは、毎週火曜日のお肉割引の他、毎週水曜日の「リッター牛乳198円」や、週末に行われるフェアが紹介されています。

店長の榎本さんによると、火曜日と水曜日は固定のイベントで、週末のフェアに関しては季節に合わせたものを毎月考えているそうで、フェアによっては店頭で試食販売を行うものもあるのだとか。
今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から試食は実施できなかったものの、例年であれば秋には芋煮、冬には寒ダラ汁といった庄内の味覚が店頭に登場するとのこと。

ちなみに12月も、大黒様のお歳夜やみかん祭り、歳末感謝セールなどのキャンペーンが目白押し。
是非「んめ農マルシェ」の情報をチェックしてみてください。

とはいえ、産直というと、地元以外に広く情報発信がされていないというイメージが個人的にはありました。
毎月のフェアも現地に行って確かめないとわからないのかな……と思っていたのですが、「んめ農マルシェ」は違います。
SNSを積極的に使い、おすすめ商品やキャンペーン情報を毎日発信しています。

中でもSNSで話題になっていたのが、土日限定で販売されている「んめ農マルシェ特製パフェ」。
商品名も印象的なこれらのパフェですが、現在は庄内産いちごの「すずあかね」と庄内産紫芋の「パープルスイートロード」を使った2種類があります。

紫芋が出る前の季節には、メロンやシャインマスカットが使われていたこのパフェ。
いちごは常時、もう一種類に関しては旬の農産物を使ったものになるということなので、次に登場するのは何のパフェなのか気になりますよね。
ちなみに取材の日は平日だったため、残念ながら食べられずでした……

そして、「SNSで情報発信していても、現地まで行けない」という遠方にお住まいの方もどうぞご安心ください。
2020年6月にオープンした「んめ農マルシェ オンラインショップ」では、庄内米をはじめ、季節のフルーツや月山ワイン、スイーツやお漬物などを購入することができます。
特に月山ワインはさすがの品ぞろえ。化粧箱も一緒に購入できるので、自宅用にも贈答用にもぴったりです。

「んめ農マルシェ」のこれから

最後に、店長の榎本さんに、「んめ農マルシェ」でこれから目指したいことを伺いました。

「お客様が増えるような施策を色々行いたいと思っています。パフェもその一貫で、『若い人を呼び込むにはどうしたらいいか』とスタッフと一緒に知恵を絞り、『地元産のものを使ったスイーツはどうだろう』となって生まれた商品です。また、もっと産直会員を増やして商品の種類を充実させ、お客様に新鮮なものを提供していきたいと思っています」

庄内地方の年中行事である「大黒様のお歳夜」のお弁当やクリスマスケーキの予約注文も受けているという地元密着型な面もありながら、観光で訪れた方も楽しめるこの場所は、庄内の「んめ~の~」なものに溢れていました。

コロナ禍においても土日は300~400人が訪れるという「んめ農マルシェ」。
既に新鮮な農産物、地元の加工品、魅力的なスイーツが揃っていますが、これからどのような商品が追加されていくのか、どんなイベントが行われるのか、いち利用者としてとても楽しみです。

【番外編】取材にかこつけてお買い物しました

取材中から買い物欲が湧いていた私。
帰り際、ちゃっかりこれらをお買い上げ。

分厚い厚揚げ(2枚入り)に新鮮たまご、たっぷり生きくらげに山形のフルーツ飴……そして初めて見た「どごいの油炒め」。
「どごい」は「イタドリ」とも呼ばれる野菜で、榎本さん曰く「田んぼの脇などに生えている」とのこと。

気になるお会計は、これだけ買って合計899円!
産直恐るべし……と、思わずにはいられませんでした。

JA庄内たがわ 産直「んめ農マルシェ」情報

店名:JA庄内たがわ 産直「んめ農マルシェ」
店長:榎本 満
住所:山形県鶴岡市日枝字小真木原88-1
電話番号:0235-25-6778
Email:sanchoku@ja-shonai.or.jp
営業時間:9:00~18:00(冬季10月~2月は9:00~17:30)
Twitter:@jashonai730
Instagram:@ja_shonai.marche
LINE:@498zaito

<ライター紹介>

ライター:ガンバリーニ杏子
神奈川県鎌倉市出身。2018年3月にフランス人の夫とともに酒田市に移住。
ライター仕事や翻訳・通訳業、ブログ「ボンジュール庄内」運営のかたわら、2020年6月より酒田市中心商店街にボードゲームカフェ&バー「Chez Pierre(シェ・ピエール)」を夫とともにオープン。北庄内地域通訳案内士の資格も所持。愛猫の「ぽんぽん」に齧られるのが日課。

【作成記事】
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