最上の秘境!樹齢千年以上の天然杉が群生する「幻想の森」で神秘の森林浴
2021.06.29庄内エリアからほど近い戸沢村。最上川舟下りや、突如現れる韓国建築が目を引く「道の駅とざわ」で有名なここ戸沢村に、もう一つ隠れた名所があることをご存じですか?
その名も「幻想の森」。
国道47号線に設置された標識から脇道に入った山の奥深くにあるその森は、樹齢千年以上の巨大天然杉が群生する、その名が表す通りの幻想的な空間でした。
そんな神秘の森に、日ごろより運動不足極まりないライターのガンバリーニ杏子が散策に行ってきました!
※内容は、2021年6月時点のものです。
令和6年7月の豪雨災害により大規模な林道崩落が発生しました。
現在復旧工事中につき通行止めとなっています。
開通は令和8年春を予定しています。(令和7年10月15日現在)
最上峡案内人協会の方のガイドで安心!いざ、人里離れた山奥へ
それだけ聞くと、「麓からそんなに近いところに、本当に秘境めいたスポットなんてあるの?」と思うかもしれませんよね。私も最初はそう思っていたのですが、実際に訪れてみて驚きました。何故なら、まるで某もののけアニメ映画の中で見たような森が目の前に出現したといっても過言ではなかったからです。
幻想の森は、写真を撮りながらゆっくり一周しても30分ほどという大きさで、ルートにはウッドチップが敷かれているため迷う心配もないとのこと。それを聞いてまず私は一安心。何故かといえば、自慢ではないですが私はとんでもなく運動不足。トレッキングのようなコースだったらどうしよう……と、不安に思っていたのです。
「ふかふかのウッドチップのおかげで膝に負担もかからないし、傾斜も厳しくないから小さい子でも年配の方でも歩けますよ」という佐藤さんの言葉に、俄然、勇気が湧いてきました。
国内でもここだけがいっぱい!不思議があふれる森のおはなし
天然杉が群生している場所と言えば、九州の屋久島や富山の黒部が有名ですが、共通しているのは「雨が多く、湿度が高い」という点。屋久島では年間降雨量が4000ミリ程、黒部は3500ミリ程もあるのだとか。
しかしここ最上峡の年間降雨量はというと2600ミリ程。それなのに何故天然杉の群生林があるのかというと……はっきりしたことはわかっていないそう。ただ、「幻想の森」は北向きの斜面にあるため、5月の連休過ぎまで溶けずに残った雪が湿度をもたらしたのではないかと推測されているようです。
まずは樹齢。1000年を超えるどころか、樹齢1200~1500年だろうと言われているものの、文献にも残っていないため正確な数値はわからないのだとか。
そしてもう一つ。これが「幻想の森」の大きな特徴でもあるのですが、この森に生えている天然杉の多くが、「多幹型の杉」であることです。どんなものかというと……
解明されていない謎が多くある森だなんて、ロマンがかき立てられませんか?
心が浄化される気分♪不思議の森で深呼吸
この「幻想の森」は、吉永小百合さんが登場するJR東日本「大人の休日倶楽部」のCMやポスターに登場した場所でもあります。当時、80人からなる撮影隊がここを訪れたのだとか。
これこそ、「幻想の森」の主と言われる大杉で、戸沢村のポスターにも使われたもの。とても巨大なタコ足型をしていますが、この木も例に漏れず、元々は一本の木なのだとか。
「環境省に写真をつけて送ったけれど、幹がない木は1本の杉とみなさないという答えが来て、残念ながら日本一になれなかった」と、佐藤さんは少し残念そうに言っていました。
何故このような違いがあるかというと、まっすぐな杉の木は人の手で造林したものだからなのだとか。現金収入を得るため、かつて国有林を借りて植樹し、50年間草を刈ったり間伐したり枝を売ったりと林業で生計を立てていたものの、最近では人手が少なくなってきたため、管理は森林管理署が行っているそうです。
ところで、「杉の木が群生している」というと、スギ花粉アレルギーの方は行くのをためらってしまうかもしれません。しかし、花粉の心配はない、と佐藤さんは言います。何でも、花粉を飛ばすのは杉の若木のみ。樹齢何百年となった木はもちろんのこと、樹齢約50年の造林木ですら花粉を飛ばすことはないそうなので、花粉症の方も安心して「幻想の森」の散策を楽しむことができます。
杉の木以外も見どころ沢山!季節限定の隠れたスポット「カスミザクラ」
散策中に案内人の佐藤さんが教えてくださっただけでも、ブナやユキツバキ、朴の木、クロモジに山椒の木、山漆……とまさに自然の宝庫。中には、地面からではなく杉の木から生えている植物も。
佐藤さんによれば、「鳥が種を食べて糞をして、それがうまいこと杉の幹から発芽した」とのこと。
「杉の木から生えた」というより、桜の木が杉をどんどん浸食している様子がわかるのですが、これも「桜の実を食べた鳥がした糞が杉の木に落ち、そこから芽が出た」というもの。そして驚くべきことに、このカスミザクラは毎年ゴールデンウイークの前頃に開花するのだとか。
他の木から生えているというだけでも珍しいのにさらに花を咲かせるなんて、植物の生命力の高さに驚かされてしまいます。
トレッキングシューズも山歩きの装備も必要なく(とはいえ、ハイヒールやサンダルはおすすめしません)、ウッドチップのおかげで足腰が弱い方でも負担なく進むことができるため、幅広い年齢層の方が楽しめる秘境なのではないでしょうか。
佐藤さんによると、森の中で杉の巨木に囲まれてピクニックを楽しんでも良いそうです。ただし、撮影のために杉の木によじ登ったり、ウッドチップが敷かれていないところまで踏み込んだりするのはやめてほしいとのことなので、マナーを守って森林浴を楽しみましょう。
森は標高260mとはいえ、一体どれくらい時間がかかるのか佐藤さんに伺ってみたところ、「国道からだと片道3時間」とのことなので、体力に自信がある方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
私はというと……雪がない時期にのんびり森の散策をする方がいいなあと思いながら、森を後にしました。
幻想の森で散策した後におなかが空いたら……
そういえばと思い出したのが、幻想の森の駐車場のすぐ近くにある「白糸の滝ドライブイン」。
「白糸の滝ドライブイン」では、パーラーの他にもフードコーナーがあり、ご家族連れで楽しめます。
営業時間も朝7時からなので、「幻想の森」の行きでも帰りでもどちらでも立ち寄りやすいドライブインだと思います。
次のお休みは、ドライブがてら戸沢村で夏の休日を過ごしてみませんか。
■幻想の森
住所:999-6401 山形県最上郡戸沢村古口土湯 幻想の森
入場料:無料
問い合わせ先:戸沢村観光協会(0233-72-2110)
車での行き方:戸沢村観光物産協会公式サイト「とざわを旅する。」
ガイド付きツアー問い合わせ:最上川交通株式会社(0233-34-7051)
ウェブサイト:https://www.mogamigawakotsu.jp/
■戸沢藩船番所
住所:山形県最上郡戸沢村古口86-1
電話番号:0233-72-2001(最上峡芭蕉ライン観光)
営業時間:8時30分~17時(12~3月は9時~16時30分)
ウェブサイト:https://www.blf.co.jp/index.html(最上峡芭蕉ライン観光株式会社)
■パーラー白糸の滝
住所:〒999-6401 山形県最上郡戸沢村古口1495-1
電話番号:0234-57-2146
ウェブサイト:http://parlor-shiraitonotaki.com/l
営業時間;10:00~17:00
■白糸の滝ドライブイン
住所:〒999-6401 山形県最上郡戸沢村古口1496-1
電話番号:0234-57-2011
Eメール:shiraitonotaki@comet.ocn.ne.jp
ウェブサイト:http://www.shiraitonotaki.com/
営業時間:07:00~20:00
<ライター紹介>
神奈川県鎌倉市出身。2018年3月にフランス人の夫とともに酒田市に移住。
ライター仕事や翻訳・通訳業、ブログ「ボンジュール庄内」運営のかたわら、2020年6月より酒田市中心商店街にボードゲームカフェ&バー「Chez Pierre(シェ・ピエール)」を夫とともにオープン。北庄内地域通訳案内士の資格も所持。愛猫の「ぽんぽん」に齧られるのが日課。
【作成記事】
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